人生のスパイス

秋風が気持ちの良い日曜日の昼下がり、野田川ユースセンターで行われた『与謝野町弦楽合奏団 第1回演奏会』に立ち寄ってきました。この日、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層の約20名によって構成される本合奏団が奏でた音色は、吹いていた秋風のように爽快感に溢れており、とても素晴らしいものでした。

与謝野町弦楽合奏団は、平成21年度に与謝野町内加悦地域公民館が主催した「第3回初心者のためのやさしいバイオリン講座」の受講者が中心となり結成されたバイオリンサークルが、約半年前に合奏団として活動を開始されたようです。はじめてバイオリンに触れられてから2年にも満たない方々が多くいらっしゃるなか、音楽を通じて、みんなが息を合わせて協調しあう喜びを共有できたからこそ、成功した第1回目の演奏会だったのではないかと思います。

僕は、この合奏団の結団が地区公民館講座に起因していることにも注目したいと思います。与謝野町では、平成22年度決算ベースで地区公民館管理運営事業として約1300万円(地区公民館館長・主事の謝礼、地区公民館光熱費、公民館活動推進事業委託料など)や生涯学習事業費として約115万円(講師謝礼金など)を計上し、地域の生涯学習の拠点として様々な学習機会や住民の地域づくりを積極的に支援しています。今回の事例は、本事業の成功モデルだと言えると思います。今後も継続して、住民のみなさんの自発的な意志を喚起できるような事業を展開することができれば、地区公民館を中心として、より楽しくにぎやかな町が同心円状にひろがっていくのではないかと思います。

合奏団団長のあいさつに、「人生に音楽というスパイスを入れ、より充実した日々を過ごすためにも、この合奏団が地域に愛され、ますます発展していくことを心より願ってやみません。」というフレーズがありました。団長や団員にとっての音楽にあたるようなスパイスを、僕たち一人ひとりが見つけ出すことができるならば、人生はより輝いたものになるのではないでしょうか。そしてまた、そのきっかけは、案外その辺(身近な公民館など)に落ちているのではないでしょうか。