Archived entries for シリーズ:地方自治体の予算編成過程について

予算編成過程の公開、はじまります!

平成23年12月定例会の一般質問を皮切りに再三再四求めてきた「予算編成過程の公開」が実現します。3月6日(水)に開催された総務常任委員会において「平成25年当初予算編成の推移」を示した資料が配布され、公開にいたるまでの経緯や趣旨の説明がなされました。21日からはじまる予算審議の場において不明瞭な点などについては明らかにしていきますが、大切な一歩を踏み出すことができました。

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地方自治体の予算編成過程について(2)

前回のエントリーでは、全国の多くの地方自治体が採用している予算編成過程のフローを確認しました。連載第2回目となる本稿では、前回の事例における予算編成過程の問題点を挙げ、それぞれに対応する改善策の事例を紹介していきたいと思います。

1. 透明性
多くの地方自治体の予算編成過程における問題点として第1に挙げることができるのは「透明性の欠如」だと言えるでしょう。全国の地方自治体を対象とした「予算編成過程における透明度調査」などはまだおこなわれていないので、データを参照しながら議論を展開することはできませんが、予算編成過程における予算査定という作業は「密室の秘儀」と言われるほどにブラックボックス化しているのが現状だと理解してもらえればと思います。

事例:島根県浜田市
浜田市では、予算編成作業の透明性を確保することにより、市事業への理解を深めてもらうため、各部局の「予算要求内容と査定結果」と「主要施策の予算要求と査定状況」を公開されています。
平成23年度3月浜田市定例会に提出された当初予算説明資料を見てみると、「予算要求内容と査定結果」では、議会・総務部などの各部局の予算要求と査定結果が、一般経費や義務的経費などの事業別区分に添って整理されています。また、「主要施策の予算要求と査定状況」では、部局別の主要施策23事業について、予算要求の概要・要求事業費・査定事業費・査定概要が記されています。つまり、主要施策においては要求額や査定額だけではなく予算要求や査定の理由がまとめられています。この取組みの結果、次に掲げる2点について成果が見られるのではないかと思います。

①議会における予算質疑の活発化
②財政課の査定に対する態度の変化

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地方自治体の予算編成過程について(1)

ここから数回にかけて地方自治体の予算編成過程に関する連載をしていきたいと思います。地方自治体は新年度に向けて、前年度10月から3月の約5ヵ月間をかけて予算編成作業をします。今年もあと数ヶ月もすればその作業が開始される時期に差し掛かってきました。この連載では、予算編成過程についての確認を行い、全国各地で活発化する新たな予算編成の手法を紹介していきます。
連載の第1回目である本稿では、多くの自治体で採用されているオーソドックスな予算編成過程について紹介していきます。人口約2万5千人のある地方自治体の予算編成過程を例にとりながら、そのフローについて確認していきましょう。

① 予算編成方針の通知(10月下旬)
② 予算要求書の作成・提出(10月下旬〜12月上旬)
③ 財政担当課によるヒアリング(12月中旬〜12月下旬)
④ 財政課長査定(1月中旬〜1月下旬)
⑤ 首長査定(2月上旬〜2月中旬)
⑥ 予算案公表(2月下旬)
⑦ 議会上程・議案審議・議決(3月)

これを見てみると、予算編成は大きく3つの段階に分けることができます。<①予算編成方針段階→②予算要求書の作成・提出段階→③予算査定段階>です。それぞれの段階における要点を確認しておきます。

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