一般質問質疑応答紹介(一部)

本日、僕の一般質問が終了しました。質疑応答の一部を掲載しておきます。

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山添:1件目は『自治区活動のさらなる推進に向けて』であります。
町長は「4年間に取り組みたい重点課題10項目」の中の1つに「自治区活動の推進」を掲げられていることからも、自治区活動を推進していこうとする強い姿勢をお持ちであると理解しています。そして、私もまた自治区活動がより活発かつ多様なものになることによって、町によりよい循環がもたらされ、持続可能なまちづくりを推進していく一種の潤滑油になるのではないかと思う一人であり、すべての地区住民が、自分たちが住む地区は「自分たちでつくろう」「自分たちでよりおもしろくしよう」「課題を解決しよう」という自発的な意志や意欲に基づいた活動を展開していくならば、この与謝野町はより魅力にあふれる町となると信じる一人であります。
現在、当町では総務課所管の自治組織支援事業、企画財政課所管の住民自治活動支援事業、教育推進課の公民館管理運営事業などが中心となり、自治区活動や公民館事業に対して、予算をともなうサポート体制を敷いている状況でありますが、私は「自治区活動をより推進していくべき」という立場に立ち、質疑をおこないます。
以上、次の3点に対する見解を求めます。
・ 自治区活動の現状・予定されている今後の取組み(指針)について
・ 自治区活動への更なる交付金の配分について
・ 自治区活動に対する行政側のサポート体制について

次に、2件目の『まちづくり基本条例の制定について』であります。
本件につきましては、3月定例会の議案第29号平成23年度与謝野町一般会計予算にかかる質疑で取り上げています。本日の議論を更に深いものにしていくためにも、半年前の議論を振り返っておきます。質問者は私で、答弁者は吉田前企画財政課長でありました。質疑応答は「住民と行政が互いの役割分担を明確にし、恊働で取組むまちづくりを推進するためにまちづくり基本条例の制定について検討する」という当初予算計画を基におこないました。その際、縷々議論を展開しましたが、条例制定の必要性や検討内容についても町民との議論を経るなかで決定していきたいとのことだったと記憶しております。そんな議論から半年が経とうとしている今、かかる議論はどのように展開しているのでしょうか。
以上、次の2点に対する見解を求めます。
・ 「まちづくり基本条例」に関する議論の進捗状況について
・ その検討内容について

最後に、3件目の『庁舎問題のありかたについて』であります。
5月28日以降、本件は多くの町民にとって最大の関心事であることは周知の事実であります。町長提案をうけて、議会では庁舎のありかたについて議論をおこなうべく庁舎問題特別委員会が立ち上がりましたし、町民間でも町政懇談会を中心に議論がされています。さらには町内の有志によって庁舎問題を考えようという目的でいくつかの団体が立ち上げられた結果、本定例会初日にふたつの請願が提出されるに至っております。また、私自身も本件に関して6月定例会の一般質問や特別委員会の場において質疑を繰り返してきました。こうしてここ数ヶ月をふりかえってみますと、議会、町民のあいだで積み重ねられた議論は密度も濃く厚いものがあったのではないかと思います。そして、現状を町長がよく引き合いにだされるキャッチボールの話にたとえるならば「町長から投げられたボールを町民が投げ返した」ところだと言えるのではないでしょうか。そんな今、私は町長と「そもそも論」について議論したいと思います。
以上、次の2点に対する見解を求めます。
・ 持続可能なまちづくりをしていくために役場はどのような場所であるべきか、またどのような機能や役割を果たすべきなのか。
・ 現環境下で町民に役場庁舎をより良く活用してもらうための改善策や改善点は検討されているのか。

町長:山添議員ご質問の1番目「自治区活動の更なる推進に向けて」についてお答えいたします。
議員もご承知のとおり、現在、与謝野町内の自治区は24区ございまして、各地区は、数多くの課題等を抱えておられるものの、それぞれの区の特色を活かし、地域一体となって地域コミュニティ活動を活発に推進されているところです。さて、「自治区活動の状況・今後の取り組みについて」、「自治区活動への自由かつ有効に使うことのできる交付金の配分について」、「自治区活動に対する行政側のサポート体制について」、3点のご質問に一括してお答えいたします。
まず、現在行っております区への支援等の状況について、でございますが、それぞれの区長に対しまして、区長報償として、お一人当たり年間24万円を支給させていただいておりますほかに、昨年度に創設しました「与謝野町区長研修助成事業」として、各地域区長会が取り組まれる研修の旅費、宿泊料等の経費半額を助成させていただいております。
次に、自治区活動への自由に使うことのできる交付金の配分については、自治振興委託料として、各地区に対して、世帯割50%、人口割45%、面積割5%の比率で算出した額を、各区の運営費として支出させていただいております。さらに、自治会活動保険として、各区で加入されている活動保険の掛金の半額を補助いたしております他に、コミュニティづくり事業等に要する経費に対して補助金の交付を行っております自治振興補助金制度も毎年ご活用いただいているところでございます。新たな交付金の配分については、現在のところ考えておりません。
議員ご質問のなかの「自分たちの地域は自分たちでつくる」ためには、地域コミュニティ活動、特に自治会の活発な運営が大切だと考えております。そのためには、各自治会同士のネットワーク化や地域コミュニティを担うための人づくりが必要だと考えているところでございます。
さて、最近では、「シチズンシップ」という用語をよく耳にします。
これは、「地域住民として地域や社会の在り方を考えることや、地域や社会に自主的、主体的に関わる意識を持つ。」というニュアンスの概念でございまして、特にイギリスでは先進的にこの考え方によるまちづくりに取り組まれているようでございまして、地域住民が、自ら置かれている状況に一番近い社会である地域コミュニティに参加することの重要性を知り、地域住民として社会を向上させるとう感覚を備えることにより、地域活動が活性化するとの考えでございます。特に、この考え方を醸成することにより、コミュニティや社会にある問題を共有化することや、自分の住む地域を理解し愛着をもつ「ローカルアイデンティティ」などを身に付け、その結果、地域再生の実現につながっていくものと考えているところでございます。
しかしながら、各区におかれましては、毎年度、区役員の選出など区政への参画そのものが大変なところもございまして、各年度の自治会の活動をこなすだけで精一杯だということも認識しております。
私は、先程申し上げましたように、まだまだ時間が必要と思いますが、この「シチズンシップ」を醸成させるためには、各区との連携をさらに強め、この町が「こうなったらいいな」という地域住民のみなさんの意識が高まり、自発的・自主的な活動につながっていくよう今後も積極的に支援をしてまいりたいと考えているところでございます。

次に、ご質問の2番目、まちづくり基本条例の制定についてお答えいたします。
まず始めに、“まちづくり基本条例の制定について検討している“という答弁をいただいているとの山添議員さんからのご質問ですが、少し誤解があるようでございます。本年3月、第36回定例会の平成23年度一般会計予算質疑の中において、今年退職しました前吉田参事兼企画財政課長が答弁しました、「まちづくり基本条例制定に関する答弁内容」では、「まちづくり基本条例の制定について検討している」という答弁ではなくて、「基本条例を検討するところまではまだ行っておりません」という趣旨の答弁でございますので、共通認識としてご確認をお願いしたいと思います。従いまして、ご質問の「その後の進捗状況」や「まちづくり基本条例」の検討内容につきましては、新たな動きがあるといったことはございませんので悪しからずご了承をお願いしたいと思います。
その事を踏まえまして、まちづくり基本条例といいますか、自治体によっては、自治基本条例とか、行政基本条例とか、名称が色々あるようでございますが、ここでは「まちづくり基本条例」という言葉でお答えさせていただきます。
まちづくり基本条例につきましては、与謝野町の総合計画に掲げています「協働で進めるまちづくり、住民・地域・事業者・行政のパートナーシップ」のまちづくりの基本目標体系に、協働の仕組みの確立として「住民と行政が互いの役割分担を明確にし、協働で取り組むまちづくりを推進するため、まちづくり基本条例の制定などの仕組みを検討します。」と記載されていることは、既にご承知のことと思います。
全国の「まちづくり基本条例」を策定している市町村等を調べてみますと、地方分権一括法の施行により地方分権の進展が進み、特に市町村においては地方政府としての自立が求められるようになり、地域のことは地域で決めるという「自己決定・自己責任」のもとで、地域の実情にあった独自の政策をつくる必要性が増大してきました。その結果、自立した自治体運営の根拠となる、いいかえれば自治体の色々な条例や施策のよりどころとなるルール、つまり自治体の憲法となるものが必要と考えられるようになってきました。
また、行政への住民参加やNPOと行政との協働、コミュニティ活動などの必要性がますます高まるなか、参加や協働によるまちづくりの仕組みを定める必要性が発生してきたことと、これまで行政が行ってきた「公共」を、町民、NPO、コミュニティ組織、民間企業などが行政と協働して一緒に担う「新しい公共」の時代が到来してきたことにより、それぞれの主体の役割分担や責務などを規定する必要性が考えられるようになってきました。加えて市町村合併しているところでは、町民の一体性を高める役割としても考えられています。
このように、先進的な取り組みですが、色んな先進町や先進市の例を見ていても、大体同じような内容になっており悪く言えば流行のような感もありまして、国の地方自治法や当町の総合計画の理念等で補完できれば良いことであって、本当に各自治体が単独で条例制定をすることに意義があるのかという疑問符もあることから、もう少し時間をかけて検討する必要もあるのではないかと考えています。
また、先の3月定例会の前吉田参事の答弁にもありましたように、まちづくりの基本的なことを制定するのが「まちづくり基本条例」でありますので、制定をしていく手順としては、その趣旨なり仕組みなりをきっちりと理解した上で、住民の皆さんとともに推進させていこうという機運が盛り上がらないと、行政だけが一方的に進めたのでは効果が上がりませんし、自己満足の条例に終わってしまうような危険性もあります。
従いまして、「まちづくり基本条例」の制定につきましては、このような状況を踏まえ、時間をかけて議論してまいりたいと考えています。

次に、ご質問の3番目、「庁舎の在り方について」お答えいたします。
まず、1点目「持続可能なまちづくりを推進していくために役場はどのような場所であるべきか、また、どのような機能や役割を果たすべきか」についてでございますが、町政懇談会の中でも意見として出ておりましたが、やはり理想として庁舎は位置的に町の中央にあるべきであると思います。
それが機能的にも住民の公平感からも理想であると、大方(おおかた)のお考えは一致していると認識しております。しかしながら、今、多額の経費を費やして町の中央に新庁舎を建設することは財政的にも無理であると考えており、現在ある庁舎を有効活用する方法をとりたいと考えております。また、機能や役割は、これもどこかの会場で「役場は役に立つから役場である」とご意見がありましたように、私も全くそのとおりだと考えており、日々、職員にはそのような気持ちで業務にあたるよう督励(とくれい)致しております。加えて役場は、町の色々な情報を集め、発信し、町民の皆さんと共有できるところでなければならないとも思っております。職員が町民の皆さんのために働き、一緒になってまちづくりを進めていく、そのための拠点が役場であると考えております。
次に2点目の「現環境下で庁舎をより良くするために行える改善点や策を考えているか」でございますが、「庁舎をより良くする」ことよりも「職員が如何に町民の皆さんに対して行政サービスの向上を図れるような対応をするか」ということではないかと考えており、庁舎を訪れられるお客様に対して親切で丁寧な対応と、経験、知識、人間性、責任感など、日々の研鑽(けんさん)によって的確で早い対応ができることにより、喜んでいただけるよう、職員の資質向上を図ることが最も大事なことではないかと考えております。

以上で、山添議員のご質問の答弁とさせていただきます。
(一般質問答弁書からの抜粋になっており、町長の答弁の内容とは必ずしも一致していない箇所もあります)