9月定例会一般質問:与謝野町の成長戦略を問う

今月2日(月)より、平成25年9月定例会が開催されています。先週、一般質問を終えましたので、質疑応答の一部をご紹介します。財政状況がより一層厳しくなることが予測される現状においては、地域外からの財の獲得が可能な産業(織物業・農業・観光など)を中心に据え、与謝野町の成長戦略を描く必要があるとの主張を述べ、町長自身が考える「当町の成長戦略」について質問しました。

ー与謝野町の成長戦略を問うー

平成25年4月に策定された第2次与謝野町行政改革大綱には、平成26年度以降の形式収支の赤字が見込まれ、平成28年度には普通交付税が一本算定へ段階的に縮減されていくことから、当町の財政状況は危機的なものになることが謳われている。

上記の状況が想定される今、実施計画の大分類に示されている4点(財政の健全化、有効活用・事務事業の見直し・効率的・効果的な組織運営と職員数などの適正化・自助、共助の促進、住民参画のまちづくりと行政サービスの向上)は、固い決意と不断の努力で実現、達成していかなければならない。本計画を遵守し、歳出削減や財政規律の堅持を目指すと同時に、当町が成長していくために何が必要かという観点から、「成長戦略」を描く必要があると考えている。
以上に係り、次の事項を質問する。

・当町の成長戦略について
→総合計画そのものが成長戦略である。
・当町が取り組むべき施策・事業について
→総合計画そのものが取り組むべき施策・事業である。
・丹後地方として取り組むべきことについて
→低料金バスやKTRの利用促進、丹後王国1300年記念事業などについて協議をおこなっており、今後もこのような場を利用して広域的な連携を図りたい。
・町民や民間企業へ期待する取り組みについて
→自助・共助・商助・公助の推進と住民参画の促進をすることで、恊働のまちづくりにつなげたい。

ー再質問ー

平成22年9月定例会以降、一般質問において様々な提案をおこなってきた。それらは当町にとって必要な施策・事業だと考えてきたからである。これまでの提案について議論の進展について問う。

・まちづくり基本条例の制定について
→基本条例の制定プロセスを思案中。
・資材支給型公共事業制度の導入について
→既に取り組んでおり、制度化する必要はないと考えている。
・地域おこし協力隊制度の導入について
→様々な取り組みをしており、本制度にこだわる必要はない。

ー町長答弁ー

山添議員のご質問の1番目「与謝野町成長戦略を問う」についてお答えします。まずは、答弁の前に、前段の「与謝野町行政改革大綱」の基本的な考え方について述べさせていただき、その後に、ご質問のお答えいたします。

与謝野町行政改革大綱は計画期間を平成25年度から29年度までの5年間とし、第2次の計画として策定致しました。本計画の特徴は基本方針に「財政黒字化を最大の目標とする」など4項目を定め、それらを実行するために実施計画を設けたことにあります。実施計画は4分類で構成しており、今までの「行革は削減」といった考え方ばかりではなく、住民参画や行政サービスの向上などを取り入れているのが大きなポイントであると考えております。
また、行政改革大綱が財政基盤の安定に資する計画であるのに対して、計画的な町政の推進を図る指針として「与謝野町総合計画」を定めておりますので、どちらもまちの重要な計画・指針として、その目標達成に向け努力していかなければならないと考えております。
そこで質問の中身に入らせていただきますが、まず1点目の「当町の成長戦略について」と2点目の「当町が取り組むべき施策・事業について」は関連しますので一括して答弁させていただきます。

今申し上げましたとおり、総合計画の後期基本計画そのものが当町のまちづくりの道しるべであり、成長戦略であると認識しております。今回の後期基本計画は、取り組むべき施策・事業はもちろんのこと、全ての基本目標のなかにベンチマークを設け、5年後のまちづくりを見据えた設定としているのが特徴です。従いまして、目標値に少しでも近づいていくために各種施策を打ち出し実行していくことが、それぞれの戦略であり、その取組みを進めていくことにより当町の成長があるのではないかと考えております。

次に、3点目の「丹後地方として取組むべきことについて」でございますが、これにつきましては、丹後を構成する2市2町で「丹後広域連携会議」を組織しており、各市町の課題はもちろん、丹後地域恊働で取り組む事業などについて、意見交換を始め事業の具体化へ向けての検討・調整なども致しているところでございます。本年度もすでに2回の会議をもち、連携して進めなければならない低料金バスやKTRの利用促進など公共交通の活性化についてや、丹後建国1300年記念事業などについて協議を行っているところであり、今後もこのような場を有効に活用して広域的な連携を図ってまいりたいと考えております。

次に、4点目の「町民や民間企業へ期待する取り組みについて」でございますが、総合計画の各セクションには「パートナーシップで取り組む施策プログラム」として、「自助・共助・商助・公助の推進と住民参画の促進」を進めることと致しており、このことがまちづくりの根幹であると考えております。一例をあげますと、特徴的なものとして「まちグルメ」の取り組みがございます。
まちグルメの取組みは、産業振興会議において、「与謝野町中小企業振興基本条例」の基本理念を具現化する取り組みとして、民間中心に考えられ実行されているものでございます。これは1例に過ぎませんが、このように個人でできることは個人で、協力し合ってできることは共同で、民間でできることは民間でといった考え方を多くの住民にご理解いただき、全体として「恊働のまちづくり」につながるよう、互いに努力することが、まちの成長・発展のキーワードではないかと考えております。

2番目の「これまでおこなってきた提案」についてお答えいたします。
議員がこれまでご提案された中から「まちづくり基本条例の制定」、「資材支給型公共事業制度の導入」、「地域おこし協力隊制度の導入」の3点について、その後の議論の進展についてお尋ねであろうかと思います。この3点のご質問は、昨年の12月定例会一般質問で議員から提案あったものですが、その時にお答えしました内容と考え方は変わっておりませんし、特段の進展は現在のところございません。

現在の状況について若干説明させていただきますと、「まちづくり基本条例の制定」については、総合計画後期基本計画の「恊働で進めるまちづくり」の第6章に、「まちづくり基本条例(仮称)の制定なその仕組みを検討します。」と位置づけております。このことにつきましては、杉上議員、今田議員からも一般質問をお受けした経過があり、条例制定の必要性やその時期にきているのではないかというご意見をいただいておりますが、自治の理念や原則、町民の権利など住民に深くかかわる基本的なことを制定しようというものでございますので、住民理解を得ながら進めることが最も重要であろうかと考えております。従いまして、まちづくり基本条例の制定プロセスをどう取り組んでいくのか、そこのところを考えている段階でございます。

資材支給型公共事業制度の導入については、当町でも資材を支給し地元関係者で維持管理や修繕等をしていただくなど、経済的負担の軽減と自助共助の推進の一環として既に取り組んでいただいていますので、改めて制度を導入する必要性は特に感じておりません。高齢化の進展など、地域の状況を勘案しながら身近な形で柔軟にそのような仕組みが活用できるよう配慮して参りたいと考えております。

次に、地域おこし協力隊制度の導入については、現在当町が取り組んでいる命の里事業や京都Xキャンプ事業、新規就農者支援事業や大学との連携なそ、数多くの事業を行っているところであり、このような受け入れ母体となる地元や団体等のご意向に沿った事業制度を導入することが何より大切だと考えておりますので、特に協力隊制度にこだわる必要はないのではないかと考えております。